過払い金請求はしたいけれど、請求するとブラックリストに載せられるそうだからと、過払い金が有るのに「過払い金請求」に踏み切れないでいる方が多いようです。
ブラックリストに載ってしまうと、「キャッシングが出来なくなってしまう」とか「カードが作れなくなる」あるいは「住宅ローンの審査が通らなくなって、マイホームが建てられなくなる」などと怖れられています。本当に過払金請求をするとブラックリストに載せられてしまうのでしょうか?
今回はこの問題を研究して見ましよう。
1 ブラックリストの正体とはどんなものでしょう
銀行からクレジット会社、ローン会社、サラ金に至るまであらゆる金融機関はお金を貸して、金利を受け取ることで会社経営が成り立っています。
要は、金利を付けて返済してくれる人に、お金を貸すのが仕事です。ですから借りてくれるお客様の信用状態(貸したお金をちゃんと返してくれそうか?)を常にチェックしていなければなりません。
このために金融機関は、借り入れを申し込んできた人の、
1.「個人信用情報」
- いつ、どこでいくらの借金をしているか?
- そもそも借金は無いのか?
- 借りたお金の返済具合はどうなのか?
2.「事故情報」
- 返済が61日以上延滞したことがないか
- 自己破産、任意整理、債務整理、をしたことがないか
- 契約違反で、カード等を強制的に解約されたことがないか
…の情報が集めてあって、いつでも見る事が出来る情報機関を持っている必要があります。
そのため、
- 銀行系の金融機関は「全国銀行個人信用情報センター」という情報機関
- 信販、カード・消費者金融は「CIC」という情報機関
- 消費者金融、商工ローンは「全国信用情報センター」という情報機関
を持っています。
その他にも「株CCB」「テラネット」などの情報機関がありお互いに情報の交流ネットワークが組まれています。
これらの情報機関に「事故情報」が登録されると、以後全ての金融機関が新規の取引に応じてくれません。
勿論、ローンやクレジットの審査も通らなくなります。これが「ブラックリストに載せられた」状態です。
2 過払い金請求とブラックリストの関係は?
過払い金は、金融業者が不当な金利をむさぼった結果ですから、悪いのは金融業者です。しかし何故か今までは過払い金請求は「債務整理」に分類されていて、「事故情報」として「ブラックリスト」に書き込まれていました。
どうも、お金を借りているのに「過払い金請求」するとは不届きであると言う理由だったように思えますが、こちらからすると「???」ですよね。
2010年1月14日、金融庁が「過払い請求」をした情報を信用情報から削除させる方針を決定したのをうけて、2月15日、「日本信用情報機関」が「過払い請求情報」の受付を停止し既に登録されている「過払い請求情報」は削除すると発表しましたから、「過払い金請求」してもブラックリストに載せられる心配は全くありません!
3 自分の信用情報は見れますし訂正の申し立ても出来ます
「全国銀行個人信用情報センター」や「CIC」あるいは「全国信用情報センター」などに登録されている「個人信用情報」や「事故情報」(ブラックリスト)は本人か本人が許可した者だけ、見る事ができることになっています。
御自分のどんな情報が登録されているのかは見てみたい方は、銀行系の「全国銀行個人信用情報センター」の、
- 全国10ケ所にある「全国銀行個人信用情報センターの本人開示窓口」で、2011年8月31日までなら開示して貰えます。2011年の9月以降は開示窓口は全て閉鎖され、郵送での開示だけになるそうです。
- 郵送による開示は
http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/#item1
にアクセスして頂ければ、必要書類や手続き方法、料金等、全てがご覧いただけます。
自分の情報を開示して貰った結果、万一誤った情報が登録されていた場合は「全国銀行個人信用情報センター」から「異議申立書」を取り寄せ、詳細を記入し、本人確認資料を添えて「苦情受付窓口」に郵送することで「情報の訂正」の申し立てが出来るそうです。